2026年7月29日水曜日

働きながら教育実習へ行くには?仕事を休む期間・実習先の探し方を経験者が解説

最終更新:2026年7月

「働きながら教員免許を取りたいけれど、教育実習の間は仕事をどうすればよいのだろう」

社会人が通信制大学などで教員免許を目指す際、最も大きな壁になりやすいのが教育実習です。

レポートやオンライン授業は仕事の後や休日に進められても、教育実習は平日の日中に、数週間続けて学校へ通う必要があります。

先に結論

働きながら教育実習へ行くことは可能です。

ただし、教育実習期間だけを見て計画するのではなく、事前指導、学校との打ち合わせ、健康診断、介護等体験、実習後の手続きまで含めて、早い段階から仕事の調整を始める必要があります。

私は社会人になった後、通信制大学で小学校の教員免許取得を目指し、仕事を休んで数週間の教育実習へ行きました。

この記事では、私の体験と2026年時点の制度を分けながら、仕事の休み方、実習校の探し方、職場へ相談する時期を具体的に説明します。

教育実習で仕事を休む期間は何週間?

教育実習の期間は、取得する教員免許、すでに持っている免許、大学の教職課程、実習校によって異なります。

大学の案内では、教育実習期間をおおむね2週間から4週間程度としている例があります。

確認する期間 主な内容
教育実習本番 学校へ連続して通う期間。免許・大学等によって異なる
実習前 事前指導、実習校との打ち合わせ、健康診断、書類提出
実習後 実習日誌、事後指導、大学への提出物
介護等体験 小学校・中学校の普通免許状では、原則として別に7日間必要

「教育実習は4週間だから、4週間だけ休めばよい」とは限りません。

実習校との事前打ち合わせや健康診断が平日に設定される場合もあります。実習期間の前後にも、半日または1日単位で仕事を休む可能性を考えておきましょう。

小学校・中学校の普通免許状を取得する場合、教育実習とは別に、原則7日間の介護等体験も必要です。

介護等体験の最新条件は、 文部科学省「介護等体験について」 で確認できます。

教育実習中に仕事を休む4つの方法

教育実習を理由に、すべての会社が必ず長期休暇を認めなければならないわけではありません。

実際には、勤務先の制度と本人の雇用形態に応じて、次の方法を検討します。

1.年次有給休暇を使う

取得できる年次有給休暇が十分に残っていれば、その一部または全部を教育実習に充てる方法があります。

年次有給休暇は、原則として労働者が取得時季を指定できます。

ただし、数週間分の有給休暇が残っているとは限りません。また、事業の正常な運営を妨げる場合には、会社から取得時期の変更を求められる場合があります。

有給休暇だけで全期間を賄えると決めつけず、残日数と職場の繁忙期を確認しましょう。

2.有給休暇と欠勤を組み合わせる

有給休暇だけでは日数が足りない場合、残りを無給の欠勤として認めてもらう方法があります。

欠勤した日の賃金、賞与、社会保険、評価などの扱いは勤務先によって異なります。

単に上司から口頭で了承を得るだけではなく、人事担当者にも確認し、後から認識の違いが起きないようにしておきましょう。

3.勤務先の休職・教育訓練休暇を利用する

会社によっては、自己啓発休職、教育訓練休暇、留学休職などを就業規則で定めている場合があります。

一方、一般的な休職制度の内容は法律で一律に決められているものではなく、利用条件や休職中の賃金は勤務先の就業規則によって変わります。

まず、次の言葉で就業規則を確認してください。

  • 休職
  • 自己啓発
  • 教育訓練休暇
  • 特別休暇
  • 無給休暇
教育訓練休暇給付金について

2025年10月から、一定の雇用保険加入期間があり、就業規則等に基づいて連続30日以上の無給の教育訓練休暇を取得する場合、教育訓練休暇給付金の対象になる可能性があります。

教育実習の期間だけでは30日に届かない場合も多く、本人が自由に休むだけでは対象になりません。勤務先とハローワークへ事前に確認してください。

制度の条件は、 厚生労働省「教育訓練休暇給付金」 で確認できます。

4.勤務日や仕事量を調整する

アルバイト、パート、自営業、業務委託など、勤務日を調整しやすい働き方であれば、実習期間だけシフトや仕事量を減らす方法もあります。

ただし、教育実習中は授業準備や実習日誌もあり、学校が終わった後に通常どおり働くのは現実的ではありません。

実習期間は、原則として教育実習に専念できる予定を組んだ方が安全です。

私が仕事を休んで教育実習へ行った体験

私は社会人として通信制大学で学び、小学校で数週間の教育実習を行いました。

当時の仕事は、あらかじめ相談すれば勤務期間を調整できる働き方でした。

実習の日程が決まった段階で勤務先へ事情を伝え、実習期間中は仕事を休みました。

そのため、日中は学校で教育実習を行い、帰宅後は教材研究、指導案、実習日誌などに取り組めました。

実際に経験して感じたのは、教育実習中に別の仕事まで続ける余裕はほとんどないということです。

学校にいる時間だけで実習が終わるわけではありません。

  • 翌日の授業準備
  • 教材研究
  • 指導案の修正
  • 実習日誌の記入
  • 担当教員から受けた指導の整理

こうした作業が実習後にもあります。

私の場合は仕事を休めたため、教育実習へ集中できました。社会人が教育実習を計画する際は、「学校に通う時間」だけでなく、「帰宅後に準備する時間」も含めて考える必要があります。

通信制大学で免許取得と教員採用試験をどのように並行したかは、 社会人が通信制大学で教員免許を取得した体験談 で詳しく紹介しています。

職場にはいつ、どのように相談する?

職場への相談は、実習直前では遅すぎます。

教育実習の実施時期や受け入れ校の内諾が見えてきた段階で、できるだけ早く相談しましょう。

会社の人員配置や繁忙期を考えると、可能であれば半年前から1年前に、長期間休む可能性だけでも伝えておく方が安全です。

最初に伝える内容

  • 教員免許取得のために教育実習が必要であること
  • 実習は平日の日中に連続して行われること
  • 予定している時期とおおよその期間
  • 有給・欠勤・休職のどれを希望するか
  • 引き継ぎをどのように行うか
  • 日程確定前に再度相談すること
職場へ伝える例

教員免許取得に必要な教育実習を、来年度の○月ごろに予定しています。期間中は平日に連続して学校へ通う必要があります。

具体的な日程はまだ確定していませんが、業務への影響を減らすため、早い段階で休暇や勤務調整について相談させてください。

「教員になるので、会社を辞めるつもりなのではないか」と受け取られる可能性もあります。

現在の仕事を続ける予定なのか、免許取得後に転職を検討しているのか、伝えられる範囲で方針を整理しておきましょう。

教育実習先は大学が探してくれる?

教育実習先の決め方は、大学や地域によって異なります。

大学が一括して調整する場合もあれば、学生自身が学校へ相談して内諾を得る「自己開拓」の場合もあります。

通信制大学では、実習先を学生自身が探す仕組みを採用している例も少なくありません。

ただし、自己判断で学校へ連絡する前に、必ず大学の手引きや担当部署へ確認してください。

地域によっては、教育委員会を通して申し込む必要がある、母校でなければ受け付けない、実習前年度の決められた時期までに申請が必要など、独自の条件があります。

実習先を探す主な方法

  • 出身校へ相談する
  • 居住地域の教育委員会へ確認する
  • 大学が指定する申請方法に従う
  • 過去に勤務・ボランティア等で関わった学校へ相談する
  • 大学の実習担当部署から地域の手続きについて助言を受ける

私の場合は、知人とのつながりをきっかけに実習先を確保できました。

しかし、現在も同じ方法で認められるとは限りません。最終的には、大学と実習校の正式な手続きが必要です。

入学前に確認してください

「教員免許を取得できる大学」であることと、「自分の地域で教育実習先を確保できること」は別問題です。

入学金を払う前に、実習校が自己開拓か、大学の支援があるか、希望地域ではどの手続きが必要かを質問しましょう。

教育実習前に必要な準備

教育実習前には、大学の科目を履修するだけでなく、さまざまな手続きがあります。

  • 教育実習の受講資格となる単位の修得
  • 事前指導・ガイダンスへの参加
  • 実習校の内諾・正式申請
  • 健康診断
  • 麻疹などの抗体・予防接種に関する確認
  • 実習校との事前打ち合わせ
  • 教材研究・学習指導案の準備
  • 服装、上履き、印鑑などの準備
  • 仕事の引き継ぎ

必要書類や健康診断の項目は大学・実習校によって違います。

「実習の前月に準備すればよい」と考えず、大学から届く案内を早めに確認してください。

働きながら教育実習へ行くまでのスケジュール例

時期の目安 行うこと
入学前 実習期間、実習校の確保方法、受講条件を大学へ確認
実習の1年以上前 大学の手続きに従って実習希望地域・学校を確認
半年前〜1年前 職場へ長期休暇の可能性を相談
数か月前 休暇申請、業務引き継ぎ、健康診断、事前指導
実習直前 実習校との打ち合わせ、教材・服装・持ち物の準備
実習期間 学校での実習、教材研究、実習日誌
実習後 日誌・書類提出、事後指導、職場復帰

大学や教育委員会によっては、実習前年度の早い時期に申請を締め切る場合があります。

入学してから実習先を考えるのではなく、大学選びの段階から確認することが重要です。

通信制大学選びで確認すべき7項目

  1. 希望する教員免許を取得できるか
  2. 自分の学歴と既修得単位で入学できるか
  3. 教育実習へ進むまでに必要な単位
  4. 実習校は自己開拓か、大学の支援があるか
  5. 自分の居住地域での申請方法
  6. 実習できる最短年度
  7. 実習費・交通費・休業中の収入を含む総費用

大学へ納める学費に加え、実習費、交通費、健康診断、仕事を休む間の収入減まで計算したい方は、 通信制大学で教員免許を取る費用と実質負担 も確認してください。


大学によっては、科目等履修生では教育実習を履修できない場合や、実習前に正科生として一定期間在籍する必要がある場合があります。

パンフレットに「教員免許取得可能」と書かれているだけで判断せず、自分の条件を大学へ伝えて個別に確認してください。

教員免許を取得する方法全体を比較したい方は、 社会人から教員免許を取る4つの方法 も確認してください。

働きながら行く教育実習のよくある質問

教育実習中も、夜や休日に仕事を続けられますか?

勤務時間や仕事内容によっては不可能ではありません。

ただし、教育実習後には教材研究、指導案、日誌などの作業があります。睡眠不足は授業や児童・生徒への対応にも影響するため、原則として実習へ専念できる予定を組むことをおすすめします。

会社は教育実習のための休職を必ず認めてくれますか?

教育実習を理由とする休職が、すべての会社に法律で義務付けられているわけではありません。

年次有給休暇、休職、教育訓練休暇、欠勤などの扱いは、就業規則と勤務先の判断を確認してください。

実習先は母校でなければいけませんか?

必ずしも母校に限られるとはいえません。

ただし、大学・自治体・学校によって、母校での実習、居住地での実習、教育委員会を通じた申請などの条件があります。大学の指示を確認してから学校へ相談してください。

実習先が見つからない場合、大学が紹介してくれますか?

大学によって対応が異なります。

大学が調整する場合もあれば、学生が自分で内諾を得る自己開拓方式もあります。入学後に初めて知ることがないよう、入学前に確認してください。

教育実習のために退職するしかありませんか?

すぐに退職を決める必要はありません。

まず、有給休暇、勤務調整、無給休暇、休職、教育訓練休暇などを勤務先へ相談しましょう。

どうしても休みを確保できない場合は、実習年度の変更、雇用形態の変更、転職や退職を含めて検討することになります。

社会人から教員を目指す方へ

教育実習は、働きながら教員免許を目指す人にとって大きな関門です。

しかし、実習時期から逆算して大学の履修、実習校の確保、職場への相談を進めれば、両立できる可能性はあります。

私も、仕事を休み、通信制大学の学習と教員採用試験の準備を進めながら教育実習へ行きました。

大切なのは、大学へ入ってから考えるのではなく、入学前から教育実習を含めた計画を立てることです。

※以下は有料教材への案内です。

仕事と教採勉強を両立する具体的な計画

社会人として、仕事、通信教育、実習、教員採用試験対策をどのように進めたのかを、約10か月の流れとしてまとめています。

社会人から教員採用試験に独学合格|10か月の勉強計画・仕事との両立・合格までの全記録

まとめ

働きながら教育実習へ行くことは可能です。

ただし、教育実習は平日の日中に連続して行われ、実習後にも教材研究や実習日誌があります。

  • 教育実習の期間は免許・大学等によって異なる
  • 実習前後にも打ち合わせや提出物がある
  • 小学校・中学校免許では介護等体験も別に必要
  • 有給、欠勤、休職、勤務調整などを職場へ早めに相談する
  • 実習校が自己開拓か、入学前に大学へ確認する
  • 実習中はできるだけ教育実習へ専念する

仕事を辞めるかどうかを最初に考えるのではなく、まず実習条件と勤務先の制度を正確に確認してください。

そのうえで、実習時期から逆算し、自分にとって最も負担の少ない方法を選びましょう。

この記事で参照した主な公式情報

※教育実習の期間、履修条件、実習校の確保方法、休暇制度は、大学、取得する免許状、自治体、勤務先によって異なります。実際の手続きは、在籍予定の大学、実習希望地域の教育委員会、勤務先の担当部署へご確認ください。

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