2016年6月5日日曜日

教師になる前に読んでおきたい本【幸せになる勇気】


これほどまでに
教師としての価値観をゆすぶられる本
あったでしょうか。

なんて言いたくなるほど
考えさせられる本。

幸せになる勇気


題名とは違って
恐ろしいほど教育の真髄に迫っています!


巷で有名なアドラー心理学の哲学者と
悩める教師との対話で進んでいきます。


悩める教師が登場人物
かなり無礼な口調で
ストレートな反論を感情的に哲学者にぶつけていきます。


それに哲学者が応える形で
アドラー心理学の神髄に迫っていくという
対話形式なんで、読書をあまりしない人にとっても
かなり読みやすいです。


さらに教師の言葉が辛辣なんで
それにこたえる哲学者の言葉が深くなります。


絶対に1回の読みでは足りず、
手元に置いて何回も読むべき本です!


得に教師になる前に読んでおきたい本です。


もう中に線を引きまくりました。
その中から一部を紹介しますね。


-----------------------------

哲人

まずは、ありのままのその人を見るのです。
あなたはまだ、何も見ていないし、
見ようとしていない。


自分の価値観を押し付けようとせず、
その人が「その人であること」に価値を置く。


さらには、その成長や発展を援助する。
それこそが尊敬というものです。


他者を操作しようとする態度、
矯正しようとする態度には、
いっさいの尊敬がありません。


青年

・・・ありのままを認めれば、
あの問題児たちが変わりますか?

-----------------------------




----------------------------

哲人
子どもたちは「あなた」ではなく
「権力」に服従しているだけです。

「あなた」のことを理解しようとは、
微塵も思っていません。

耳を塞いで目をつぶり、
怒りの嵐が過ぎ去るのを待っているだけです。


青年
ふふふ、おっしゃるとおりですよ。


哲人
この悪循環におちいるのも、
まずは自分が生徒たちを尊敬する、
無条件に尊敬する、という
最初の一歩を踏み損ねたからなのです。

-----------------------------

確かに怒鳴る先生も多くいます。
子どもたちは理解しているのではなく
服従しているだけ。

みなさんは、
そんな場面を現場でこれから多く目にすることでしょう。


------------------------------

哲人

例えば、まったく勉強しようとしない生徒がいる。
ここで「なぜ勉強しないんだ」と問いただすのは、
いっさいの尊敬を欠いた態度です。


そうではなく、
まずは「もしも自分が彼と同じ心を持ち、
同じ人生を持っていたら?」と考える。


つまり、自分が彼と同じ年齢で、
彼と同じ家庭に暮らし、彼と同じ仲間に囲まれ、
彼と同じ興味や関心を持っていたらと考える。


そうすれば「その自分」が、
勉強という課題を前にどのような態度をとるか、
なぜ勉強を拒絶するのか想像できるはずです。

この様な態度を何と呼ぶかわかりますか?


青年

・・・想像力、ですか?


哲人

いいえ。これこそが「共感」なのです。


青年

共感!?
・・・その、同じ種類の心、
同じ種類の人生を持っていたらと考えることが?



哲人


はい。世間一般で考えられている共感、
つまり相手の意見に「わたしも同じ気持ちだ」と同意することは、
たんなる同調であって、共感ではありません。

共感とは、他者に寄り添うときの技術であり、態度なのです。

-------------------------------------


同調と共感の違い。
ここまで明確に説明してくれると
自分の頭の中も言葉の定義も1つ1つ
スッキリしてきます。


といった感じで
幸せの勇気の本には
相当の線が引いてあります。


今こうして読み返していても学びがあります。


ぜひ、教員を目指している人、
教員になった人は一読しておくべきです。


相当に意識が変わることは確実です!



幸せになる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教えII