教員採用試験の面接では、 「少しくらい話を盛った方が評価されるのではないか」と 考える人もいるかもしれません。
面接対策本に書かれている立派な回答を覚えたり、 実際にはしていない経験を、自分の経験のように話したりしたくなることもあります。
しかし、教員採用試験の面接では、最初の回答だけでなく、 その後の質問も含めて考えや経験を確認されます。
そのため、作った話は詳しく質問されるほど矛盾しやすくなります。
私は社会人から独学で教員採用試験を受験して合格し、 その後、公立小学校や海外の日本人学校で教員として働きました。
この記事では、教員採用試験の面接で嘘や話を盛ることが なぜ危険なのか、経験が少ない人はどう答えればよいのかを説明します。
- 面接官がすべての嘘を見抜けるわけではない
- ただし、追加質問によって矛盾や不自然さが出やすい
- 立派な答えより、自分の経験に基づく答えの方が強い
- 経験が少なくても、考えたことや今後の行動は答えられる
- 弱点を隠すより、改善する姿勢を具体的に伝える
教員採用試験の面接で嘘はバレる?
面接官が、表情を見ただけですべての嘘を見抜けるわけではありません。
しかし、作った話には具体的な背景がないため、 詳しく質問されたときに答えが不自然になりやすいという問題があります。
例えば、次のように答えたとします。
この回答に対して、面接官から次のように聞かれる可能性があります。
- 具体的に、どのような子どもに関わりましたか
- その子どもには、どのような課題がありましたか
- あなたは、どのような声をかけましたか
- その後、子どもの様子はどう変わりましたか
- うまくいかなかった点はありますか
- 担任の先生から、どのような助言を受けましたか
本当に経験したことであれば、完璧に話せなくても、 そのときの状況や自分の迷いを具体的に説明できます。
一方、作った経験の場合は、質問されるたびに新しい話を作らなければならず、 最初の回答との矛盾が生まれやすくなります。
特に危険な4種類の嘘
1.経験していないことを経験したと言う
ボランティア、教育実習、部活動、アルバイトなどで、 実際にはしていない行動を、自分がしたように話すケースです。
「不登校の子どもを学校復帰させた」 「学級の問題を自分が解決した」など、 大きな成果を作るほど、詳しく聞かれたときの矛盾も大きくなります。
2.自分の役割を必要以上に大きくする
グループの一員として関わったことを、 自分一人が中心となって成し遂げたように話すことも危険です。
面接では、成果の大きさだけでなく、 周囲とどのように協力したかも重要です。
自分の役割が小さかったとしても、 その中で考えたことや工夫したことを正直に話した方が説得力があります。
3.面接対策本の回答を自分の考えのように話す
面接対策本やインターネットの回答例は、 質問の意図や答え方の構成を学ぶためには役立ちます。
ただし、文章をそのまま暗記すると、 他の受験者と似た回答になりやすくなります。
さらに、書かれている内容を自分自身が深く理解していなければ、 「なぜそう考えるのですか」と聞かれたときに答えられません。
4.弱点が全くないように見せる
面接で自分をよく見せたい気持ちは自然です。
しかし、「失敗したことはありません」 「苦手なことはありません」 「どのような子どもにも対応できます」といった回答は、 かえって現実味を失います。
教員になった後も、分からないことや失敗はあります。 大切なのは、失敗しない人に見せることではなく、 失敗から学び、改善できる人であることを伝えることです。
話を整理することと嘘をつくことは違う
面接では、限られた時間で自分の考えを伝えなければなりません。 そのため、経験を分かりやすく整理することは必要です。
これは嘘をつくこととは違います。
| 問題のない整理 | 避けるべき脚色 |
|---|---|
| 長い出来事を要点に絞る | 起きていない出来事を加える |
| 自分の役割を明確にする | 他人の成果を自分の成果にする |
| 学んだことを整理して話す | 本当は考えていない理想論を付ける |
| 失敗と改善を簡潔にまとめる | 失敗を隠して成功だけを作る |
事実は変えずに、相手が理解しやすい順番に整理しましょう。
説得力のある回答を作る4つの要素
自分の経験を、次の4つに分けると答えやすくなります。
- 結論:自分は何を大切にしているか
- 具体的な場面:どのような出来事があったか
- 行動と結果:自分は何をして、どうなったか
- 学び:教員になった後、どう生かすか
回答例
私は、子どもの話を最後まで聞くことを大切にしたいと考えています。
教育実習中、授業に集中できず、周囲の子どもとトラブルになる児童がいました。 初めは注意することばかり考えていましたが、担任の先生から、 まず本人の話を聞くよう助言を受けました。
休み時間に話を聞くと、学習内容が分からず、 授業に参加しにくくなっていたことが分かりました。 そこで、授業前に学習内容を短く確認するようにしました。
この経験から、表面に見える行動だけで判断せず、 背景を確かめることの大切さを学びました。 教員になった後も、子どもの言葉を聞いた上で支援を考えます。
このように、立派な言葉だけで終わらず、 具体的な場面と自分の学びをつなげます。
経験が少ない場合はどう答える?
教育実習や学校ボランティアの経験が少ない人もいるでしょう。
しかし、経験が少ないからといって、架空の経験を作る必要はありません。
大学生活、アルバイト、部活動、子育て、会社員経験、 地域活動などからも、教員の仕事につながる学びを説明できます。
例えば、次のような経験です。
- 相手によって説明の仕方を変えた経験
- 意見の違う人と協力した経験
- 失敗後に方法を修正した経験
- 継続して努力した経験
- 人から注意され、自分の行動を改善した経験
重要なのは、経験の場所ではなく、 その経験から何を考え、教員としてどう生かすかです。
分からないことを聞かれた場合の答え方
面接では、準備していない質問が出ることもあります。
そのときに、知っているふりをして曖昧な回答を作る必要はありません。
例えば、次のように答えられます。
ただ、教員として必要な内容だと考えるため、 試験後も資料を確認して理解を深めます。
何でも「分かりません」で終わらせるのは望ましくありませんが、 無理に知識を作るよりも、現在の理解と今後の行動を伝えた方が誠実です。
面接対策で準備するべき追加質問
一つの回答を作ったら、その回答に対して 次の質問にも答えられるか確認してください。
- なぜ、そのように考えたのですか
- 具体的には何をしましたか
- そのとき、相手はどのような様子でしたか
- うまくいかなかったことはありますか
- 今なら、どのように対応しますか
- 教員になった後、どのように生かしますか
- 他の方法は考えられませんか
これらに自分の言葉で答えられれば、 丸暗記ではない、説得力のある回答になります。
面接回答の最終チェック
- 実際に自分が経験したことか
- 自分と他人の役割を区別しているか
- 具体的な場面を説明できるか
- 失敗や課題を隠しすぎていないか
- 追加質問にも答えられるか
- 教員としての行動につながっているか
- 面接対策本の言葉ではなく、自分の言葉になっているか
よくある質問
多少話を盛る程度でも問題になりますか?
分かりやすく整理することは必要ですが、 自分の役割や成果を実際より大きくすると、 追加質問で説明できなくなる可能性があります。
成果を大きく見せるより、 小さな経験から何を学んだかを具体的に話しましょう。
面接対策本の回答例は使わない方がよいですか?
質問の意図や回答の組み立て方を学ぶためには使えます。 ただし、文章をそのまま覚えるのではなく、 自分の経験と考えに置き換えてください。
本音をすべて話さなければいけませんか?
考えていることを何でもそのまま話す必要はありません。 面接に必要な内容を選び、事実を変えずに整理して伝えます。
失敗経験を話すと評価が下がりませんか?
失敗した事実だけで終わらず、 原因、改善したこと、その後の変化まで説明しましょう。
失敗を認めて改善できることも、教員に必要な姿勢です。
まとめ
教員採用試験の面接では、面接官が特殊な能力で すべての嘘を見抜くわけではありません。
しかし、作った経験や借り物の回答は、 追加質問を受けるほど矛盾や不自然さが出やすくなります。
- 経験していないことを作らない
- 自分の役割を必要以上に大きくしない
- 回答例を丸暗記しない
- 失敗を隠さず、改善したことまで話す
- 具体的な経験と教員としての行動をつなげる
面接官に立派な人だと思わせようとするよりも、 自分が実際に考え、行動し、学んだことを 自分の言葉で伝えることが大切です。
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